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ファンデーションの価格

市松模様のモダンな着物に、朱色の長い丈の羽織をひっかける。
そして家を出て原宿を歩く。 表参道は個性と派手の競い合いであるが、着物は決して負けないぞ。
私はよく歌舞伎座へ行くが、そんな時、若い女の子が小紋なんかを着ているのを見るととても嬉しい。 最近は私の大っ嫌いなニューキモノっぽいのが次第に流行らなくなったようで、ふんなきちんとしたものを着ている9決して高価なものではないだろうが、若い人が小紋や餅を着ているのはとてもいいモノである。
女友だちとしめし合わせたらしくて、2人づれの着物姿の女の子が目立つ。 もうTPO、などという言葉はとっくになくなったが、私はいつ、どんな時にもセーターやジーンズを着て現れる女の子が嫌いだ。
髪型やセーターがどんなにきまっていても、ちっともおしゃれじゃないと思う。 なぜなら、いつもと違う場所に行く時には自分を変える、着ていくものを工夫する、という楽しさを拒絶しているからだ。
気取ったレストランや劇場に行く時には、やっぱりセーターじゃ悲しい。 このあいだ歌舞伎座で、コムデのワンピースを見たが素敵だった。
頭のいいコは、自分らしさを守ったまま、やることはちゃんとやる。 たまにはごはんを食べようということで、六本木のイタリア料理店に、Aさん、Sさん、Kさんが集まった。
Kさんは赤ちゃんを産んだばかりで、すっごく綺麗になっていた。 襟ぐりの大きいワンピースを着ていたのであるが、胸が二倍の大きさに成長し、女性陣の羨望の的となった。

ところが、その夜の主役は何といっても「とける夜」問題のAさんである。 ご存知かどうか知らないが、女優のHちゃんとAさんとのスキャンダルが、「西麻布、とける熱い夜」というタイトルでこのあいだ週刊誌にのった。
なんでも西麻布の、バーで、酔っぱらったKちゃんがAさんにしなだれかかりキスをしたんだそうだ。 が、この記事はあまりにも怪しい。
2人のビッグネームに比べ記事が小さいのは、あきらかに雑誌側に自信がないせいである。 本人のAさんにしても、「まいっちゃうよ、本当に」などと言いながらも、まんざらではなさそうである。
「Aさん、この後、そのとける夜に案内してよ」と言ったら快諾してくれた。 SさんやKさんは、「明日、子どものお弁当つくるから」「ベビーシッターさんが帰るから」という理由で、食事の後すぐに帰ってしまった。